デジタルマーケティングでアフターセールスサービスの収益を拡大!

デジタルマーケティングでアフターセールスサービスの収益を拡大!

 自動車ディーラーの収益源は新車販売だけではありません。むしろ、価格競争によって新車販売収益が薄くなっており、メンテナンス・修理、部品販売などのアフターセールスサービスが収益の柱となっています。
アフターセールスサービスの顧客を獲得することで、安定収益につながるのみならず、定期的な顧客接点を持つことで新車販売機会を得ることができます。
 この記事では、アフターセールスサービスの従来の集客方法に加えて、有効な5つのデジタルマーケティング施策についてお伝えします。

アフターセールスサービス集客の方法

 自動車ディーラーのアフターセールスサービス集客は新車販売を起点にして、そこで得た情報を活用して行われます。

車検・法令点検時の営業

 自動車ディーラーは、新車を販売した時点でいつ車検と法令点検が到来するのかを正確に把握することができます。車検などの到来時期が来たら、営業マンが顧客に車検入庫依頼の電話やダイレクトメッセージを送ります。気の利いた営業マンであれば、顧客の個人的な興味をそそる一言を添えたり、販促品を提供したりすることで、車検入庫の確率を上げていきます。繰り返し入庫が見込まれる顧客への対応をサービス部門の担当にバトンタッチすることもあります。

メンテナンスパックでの囲い込み

 メンテナンスパックとは、車検や法令点検、消耗品の補充など車購入後のアフターメンテナンスをセットにしたサービスのことです。顧客は車検対応などの面倒を軽減でき、自動車ディーラーは営業リソースをかけずにアフターセールスサービス収益を稼ぐことができます。

アフターセールスサービスの課題

 自動車ディーラーにとって極めて重要なアフターセールスサービスですが、取り組むべき課題がたくさんあります。

大手自動車修理企業の台頭

 自動車ディーラーは新車販売する際に情報を握っていることから優位に顧客を囲い込むことが可能である一方、町の修理工場は近場の修理・メンテナンス需要を取り込むニッチ戦略をとるような構造が長く続いていました。しかし2000年代以降、大手自動車修理工場が高い技術力・充実した設備・安価で統一された料金体系を武器に、自動車ディーラーから顧客を獲得していきます。自動車ディーラーは、大手自動車整備工場の利便性・安価な料金と厳しい競争を強いられています。
 また近年は、seibiiといったスマホから出張整備(※)を依頼できるサービスがあり、競争は一層激しくなっています。
(※)分解をともなう整備などは国の認証工場でしかできません

深刻な人手不足

 あらゆる業種で人手不足が言われていますが、自動車整備士業界はその中でもかなり深刻な人手不足を抱えています。自動車整備士は、体力が必要であり拘束時間も長いことが一般的です。さらに、自動車整備士の業務を行うために国家資格を取得する必要があり、自動車整備士のなり手が少ない状況です。自動車整備士のなり手を増やす努力は当然必要ながら、人手不足の中、業務を効率化して少ない人員でアフターセールスサービスを充実させる知恵や工夫が必要となります。

効果的な5つのデジタルマーケティング施策

 自動車ディーラーの収益源であるアフターセールスサービスの効率的な集客は、厳しい競争環境の中でも重要な顧客接点を保つために必要です。そのために、デジタルマーケティングは強い味方になります。以下ではデジタルマーケティングで集客をDXする5つの施策を紹介します。

ターゲット顧客の絞り込み

 新車販売から継続してコミュニケーションできている顧客以外にも、疎遠になってしまった顧客、近隣の取り扱いブランドの保有顧客の集客をしたいとき、デジタルマーケティングでは層別されたターゲットに対してサービスを訴求することが可能です。

顧客に刺さるコンテンツ

 ターゲティングした顧客にマッチしたコンテンツを選択して提供することがデジタルマーケティングでは可能です。デジタルマーケティングを活用して、自社サービスの強みを訴求できれば、アフターセールスサービスの集客に繋がります。

デジタル広告

 マスメディアと同様、Web上でも広告による認知獲得と製品紹介ができます。Web上、つまりデジタルマーケティングにおける広告の利点はターゲットを絞り込み、効率よく広告を出すことができる点にあります。ターゲット顧客が好みそうなメディアでの広告掲載や過去に関連キーワードを検索したターゲット顧客に対して製品広告を表示するリターゲティング広告を活用します。また、SEO対策により顧客が製品に効率よくリーチする事が可能です。

ワード検索への対応

 ワード検索への対応(SEO)により顧客が製品に効率よくリーチする事が可能です。ターゲット顧客がどのようにサービスを探しているか調査して、自社の適切なサービスにアクセスしやすいようにコンテンツを充実させることで、顧客が迷わず自社サービスにアクセスできるようになります。

SNSの活用

 SNSを活用することで、既存顧客との関係維持ができます。LINEなどの専用アカウントからフォロワーとコミュニケーションしたり、クーポンの発行などにより入庫タイミングの平準化を測ったりすることができます。

 デジタルマーケティングを活用してアフターセールスサービスの収益を拡大することは可能です。従来のやり方で大きな収益を上げている自動車業界では新たな取組であるデジタルマーケティングへの投資が進んでいない中、今から始めることで競合優位を取ることができます。また、今後も変わり続けていく顧客に対応するためにも、いまデジタルマーケティングを始めることで3年先、5年先の営業を強化すること繋がります。
 デジタルマーケティングを自動車ディーラーのアフターセールスサービスに取り入れ、新たな自動車ディーラー像を創造し、収益拡大を実現しましょう。

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    この記事を書いた人

    石川毅志
    石川毅志
    1983年7月8日生。2007年早稲田大学卒業。伊藤忠商事(株)に入社し、東南アジア・アフリカ向のトレード・事業投資・管理に従事。2013年、自動車メーカーに出向し、販売・アフターセールス部門GMを務める。2019年、common(株)を設立し、代表取締役 CEO就任。BCG, McKinsey, Accenture, NEC, Deloitteなどへの自動車ビジネスコンサルティング実績多数。米国公認会計士全科目合格。