• 石川毅志

【企業分析】弁護士ドットコム【財務は?将来は?】

更新日:2020年9月9日



commonの石川です。


リーガルテックってなんですか?
AIが弁護士にとって変わると
聞いたことがあるのですが、
そんなことがあるのでしょうか?

最近は、

フィンテックから始まり、

人事とITを組み合わせたHRテックや

保険とITのインシュアテックなど

新しい〇〇テックが生まれています。


法律分野でもITを活用した

リーガルテックで様々なサービスが

生まれています。


リーガルテックのサービスには、

定型処理をロボットにやらせる様なものや、

AIで複合的な法的問題を解くもの

も開発が試みられており、

これらを指して、

弁護士の代わりになると言って

いるものかと思います。


法務は法律という

明確なルールがあるため、

ITと相性が良いと言われていますが、

実際の法務の現場は、

人の感情や複雑な背景を

汲み取る必要がある案件も多く、

AIが弁護士にとって変わる日は、

しばらくない様です。


そんな中、

リーガルテックで最も注目されており、

規模も大きい会社が

弁護士ドットコムです。

クラウドサインが有名です。


弁護士ドットコムとは

弁護士ドットコム株式会社は

2005年に、

弁護士の元榮太一郎氏により、

オーセンスグループとして、

設立されました。


アメリカの様な訴訟社会ではない

日本では、

一般人が弁護士と関わる機会が

少ない中、

弁護士に相談したくても、

敷居が高いし、

情報も少ないので、

なかなかできない実態を知り、

弁護士の検索とプロフィールを

一覧できる「弁護士ドットコム」を

リリースしました。


その後も、

現在も運営を続けている、

税理士相談ポータルサイトの

「税理士ドットコム」、

法律関連記事配信サービス

「弁護士ドットコムニュース」、

web完結型クラウド契約サービス

「クラウドサイン」、

企業法務ポータルサイト

「ビジネスロイヤーズ」などを

矢継ぎ早にリリースしています。


特に、

「クラウドサイン」は、

マスメディアでの広告で大々的に

周知されています。


オンラインで電子サインすることで、

これまで、

全て紙で契約しなければならないことで、

郵送費や印紙代と言ったコストと

投函・配送・受取・押印までの時間を

一気に削減できた画期的なサービスです。

また、契約管理もweb完結で行えます。


合法的に契約できる様に、

様々な要件に配慮しながら、

わかりやすいUIが素晴らしいサービスです。

代表メッセージでは、

弁護士や税理士などの専門家の知恵を

誰もが利用できる様な社会を

目指すと謳っており、

クラウドサインも

これまで煩雑であった契約を

簡単にすることで、

誰もが、

法律を利用して、

フェアな取引を行うことができる様に

垣根を下げる重要なサービスでは

ないでしょうか。


弁護士ドットコムの財務

弁護士ドットコムの財務を見て

行きます。


1. 成長性

2016年3月期売上が11億円であり、

2020年3月期売上は41億円と

約4倍に成長しています。


一方、

営業利益は、

過去5年で3億~5億円で推移しており、

大きな成長はありませんでした。


これは、

クラウドサインなどの新しいサービスの

開発費や広告費が大きくなってきている

ためです。

特に、ここ1年は大規模な広告の費用が

大きく営業利益を落とす原因に

なっています。


IT業界はスピードが早く、

次々と登場する

新しい技術にキャッチアップして

開発を進める必要があることと、

後発に追いつかれない様に一気に

スケールさせる必要があるため、

仕方がない部分でもあります。


2. 収益性

売上層利益率は84%と

高付加価値な商売をしていることが

わかります。


営業利益率は

前述の経費がかさむことから、

10%以下に下がります。


弁護士ドットコムは

全てのサービスを

弁護士ドットコム一社で行っており、

子会社がないのも一つの特徴で、

非常にわかりやすい財務諸表で、

損益も高付加価値のサービス粗利から、

経費を捻出して、

将来にわたって存続できる

サービス作りをしていく様が

見て取れます。


3. 安全性


一般的に200%を超えていると良いと

されている流動比率は約500%と、

短期の資金繰りに

詰まることがまずない様な体制です。


そして驚くことに、

DERが0.18倍と

ほぼ自己資本で賄っており、

経営は安定しております。


また、

株主についても、

経営者と経営者の管理会社が

約70%保有しているため、

経営者の思い通りに、

経営できる体制になっています。


無闇に他人資本を入れずに、

積み上げた収益から、

開発・広告費用を捻出していく

理想的な経営です。


弁護士ドットコムの将来

弁護士ドットコムは

2015年までは、

弁護士や税理士のポータルサイト

に過ぎませんでした。

これは、

情報の量と質を高めることで

サイト価値が上がりますが、

yahooからgoogleが

そうであった様に、

技術革新により急激に

立場がひっくり返ることはあります。


そして、

質と量を担保するのにも

泥臭い努力が必要です。


その割に、

ポータルサイトそのものの発展性は

市場規模のキャップがあり、

参入障壁の低さ故に増える競合と

パイを食い合う構造になります。


そこに、

契約のあり方を一気に変える

革新的なサービスである

クラウドサインをリリースしました。


広告の打ち方からもわかる様に、

弁護士ドットコムは

クラウドサインを伸ばしていく

方針でしょう。


クラウドサインは

非常に広がりのあるサービスです。

電子サインと同時に決済を済ませたり、

契約内容のデータ化をしたりすることにも

事業領域を広げる事ができます。


そして、

クラウドサインが蓄積している

膨大な契約などのデータは、

個人や企業の法務問題を

ロボやAIで解決するのに必要な

サンプルデータそのものであり、

こう言った分野にも進出する事が

考えられます。


まとめ

弁護士ドットコムは

弁護士のポータルサイトから開始して、

クラウドサインなどのサービスを

リリースしてきました。


高い成長率を維持しており、

負債も少なく、

安定株主の比率が高く、

非常に堅実な経営をしています。


今後は、

クラウドサインを中心に事業を

進めていくと予想できます。

クラウドサインから

データを蓄積して、

本当に弁護士にとってかわる

AIやロボットを開発するかもしれません。

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